2021.03.03
防虫対策
暦の上では春を迎え暖かさを感じる日も多くなりましたが、気温が暖かくなるにつれて虫の活動も活発になってきます。ONO plusでは年間を通して様々な防虫対策を取っていますが今回はその一例をご紹介します。 まず、前室やエアシャワーを設けて作業現場を外気から隔絶しています。クリーンルームにおいては基本設備ともいえますが、室内が陽圧なこともありこれだけでも飛翔虫は侵入が難しいです。 前室の出入口を人の通行用と材料運搬用に分けて設けることも有効です。外気の取り込みが最小限で済むため侵入の機会を減らせます。 工場内で使用する照明類は防虫対策を意識して設置しています。 例えば、普段の生活の中でも比較的なじみのある誘虫灯です。虫は特定の波長を含む光「紫外線」に誘引されて行動しますが、誘虫灯はその特性を利用した、あえて紫外線を発することで虫を誘引する照明です。これによって虫が建屋に侵入しても行動をコントロールできます。(誘虫灯に集まってきた飛翔虫は粘着トラップで補虫してモニタリングを行っています) 次にイエローランプです。イエローランプの光は誘虫灯とは異なり虫が好む波長をカットしています。こちらは外気を取り込む機会が多い特定の箇所に設置しています。 作業現場の照明は紫外線を発するものと発さないものを組み合わせています。加工機械の周辺はLEDや紫外線を発さない蛍光灯を設置し、紫外線を発するものは誘虫灯までの道筋となるような位置に設置しています。クリーンルーム内に虫が侵入することは通常ありませんが、不測の事態にも行動のコントロールが可能な環境を整えています。 さらに、薬剤による殺虫も行っております。定められた期間ごとに噴霧タイプの薬剤を建屋内に散布するほか、工場内にある水路には錠剤タイプの薬剤を散布して殺虫しています。 これらの防虫対策の効果はモニタリングを実施することで確認しています。モニタリングトラップに補虫したサンプルは防虫コンサルタントに評価を依頼、外から侵入してきたのか内部で発生したのかを確認して新たな対策を立案しています。防虫においては「入れない」「増やさない」ことが肝要です。 いかがでしたでしょうか。ONO plusでは防虫委員会を設置して日々新たな対策を立案しています。例えばクリーンキャンペーンと称した工場内の美化活動もその一環です。虫の活動が本格的に始まる前に準備を整えておきたいものですね。