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今回は厚膜のフィルム(シート)を加工する際の3つの方法をご紹介します。

分厚いフィルムを加工しようとすると
【巻き癖】【ゆる巻き】【通紙不可】等の問題が懸念されますが、
当社では主に下記の方法で厚膜フィルムのスリット・巻替えに対応しております。

①外径の大きな巻取コアで対応する
巻き癖は厚膜フィルムには必ずと言っていいほど発生しやすい現象です。
フィルムに付いた巻き癖は、断裁不良やシワ発生の要因となります。
当社では内径は3,6インチのまま、外径が6,8,10インチのコアをご提案できます。



コア外径が小さいほど巻芯部分の巻き癖は発生しやすいですが、
これらのコアを使用することで巻き癖を軽減し、ロスの減少に繋げられます。

②巻芯部分の加工速度を遅くする
厚膜フィルムを12μ等のフィルムと同じ速度で加工すると、
巻芯部分にしっかりと張力をかける事ができず緩く巻かれてしまいます。
緩く巻かれたロールの巻芯部分は「スカスカ」の状態になっており、
コア抜け(竹の子状にずれる)や、加工時のフィルムの蛇行に繋がります。



その為、当社が厚膜のフィルムを加工する際は
一定以上の巻径になるまで加工速度を遅くして加工します。
コロナ処理を同時に行う場合は出力の調整を随時行う必要があるため、
加工には経験と技術の両方が必要になります。

③フィルムの通紙方法を変える
素材の硬軟や厚み(1000μを越える超厚膜)にも左右されますが、
分厚いフィルムはそもそも機械にセットすることができない可能性もあります。
例えばこちらの画像をご覧ください。



フィルムを加工する機械にはテンションを調整するロール、
シワを伸ばすロール、刃物でスリットするロール、その他様々なロールがついています。
ロールからロールへ向かうフィルムの角度を当社では【抱き角】と呼んでいますが、
この角度が鋭いほど厚膜フィルムは通紙がしにくく加工が困難になります。

裏技的な対応方法になるため通常の加工では実施していませんが、
当社では下記の画像のように対応しております。



可能な限りパスラインを簡略化して巻き癖に逆らうことなく通紙した状態です。
本来必要なロールを経由しないため、通常ご提案することはございませんが
特殊な開発品やご要望によって対応させて頂いております。
※一部、対応不可の機械もございます。

当社では1.6μ~1160μ(発泡体は2mm)のフィルム加工実績がございます。
金属ラミネート品や食品トレー用途等の厚膜フィルム・シート加工でお困りの方はご相談ください。

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