ONO plusブログ

以前、コロナ処理について2つの記事を投稿しました。

■『フィルム加工の基礎知識【コロナ処理編】』
https://ono-plus.com/?p=303
■『フィルム加工で発生する問題と原因【コロナ処理編】』
https://ono-plus.com/?p=305

今回はコロナ処理の豆知識を3点ご紹介します。

①コロナ処理は表面100~1000Å(0.01~0.1μ)程度に影響を与えています
 そのためコート層などが1μでもあれば、
 基材が何であれコロナ処理本来の効果を得ることは難しいです。

②コロナ処理とプラズマ処理について
 コロナ処理も広義ではプラズマ処理と言えます。
 ・コロナ放電
 ・グロー放電
 ・アーク放電
 ⇒全てプラズマ状態

 コロナ処理=大気圧中(コロナ放電)
 プラズマ処理=真空中(グロー放電)

 一般的にプラズマ処理と呼ばれているものは、コロナ処理にガスを追加したものです。
 真空状態を再現しなくてもコロナ放電にガスをプラスするとグロー放電が発生します。
 ガスはヘリウムが望ましいですが、高価なため窒素で代用されることが一般的です。

③導電性のあるフィルムへのコロナ処理
 コロナ処理を実施するフィルムはその抵抗値でコロナ処理機を選定します。
 <10^9Ω(金属箔・導電性フィルム用)
 <10^14Ω(絶縁性フィルム用)

 例えばASコートが施されたPETフィルムを絶縁性フィルム用のコロナ処理機で加工しても
 抵抗値が10^9Ωなのでコロナ処理の効果は思うように得られません。

※偏肉が多いフィルム等、処理ロールに完全に密着できないフィルムは
 コロナ処理の裏ヌケが発生します。
 密着できていない部分のコロナ処理効果が得られないばかりか、
 反対面の濡れ性が向上してしまうことなどが懸念されます。
 ⇒ニップロールを使用することで改善されます。

※PPやCPPなどは酸素の含有量が少ないため、
 コロナ処理で表面改質を実施しても一定の数値で限界がきます。
 ⇒コロナ処理ではフィルムの酸素をコロナ放電で発生した
  酸素のラジカルと再結合させオゾンとし排出、
  フィルムの分子が塗料・コート剤などと結合しやすい状態を作っています。
  そのため、元々酸素の含有量が少ないフィルムへのコロナ処理効果は薄いと言えます。

当社ではコロナ処理は勿論、プラズマ処理(協力会社)にも対応しております。
フィルムの濡れ性にお困りの方は是非お問い合わせ下さい。

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