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蒸着(じょうちゃく)とは金属を蒸発させて、素材の表面に金属を付着させて成形する方法です。
蒸着は薄く金属を付着できますので小型化の必要性がある半導体や太陽光電池などに使われています。
蒸着には主に2つの方法があり、物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)があります。

物理蒸着(PVD)
水を加熱すると水蒸気なります。この液体の気化した水蒸気に冷たいものを当てると水滴が付きます。水蒸気が冷やされることで水に戻ります。



上記の図と同じ仕組みを利用して金属を蒸着させます。
水は100℃で水蒸気に気化しますが、金属は数千℃にならないと気化しません。例としてアルミの沸点は2470℃なので気化させるには高温にしなければなりません。
ですが大気圧が変わることで沸点が変わります。
大気圧が低いと沸点も下がり大気圧が高いと沸点も上がります。
水の場合ですと0.8気圧で93℃ 2気圧の場合120℃に沸点が変わります。
富士山の山頂では大気圧が平地と比べて低いので水の沸点は87℃ぐらいになります。カップラーメンを作る際はお湯がぬるく(87℃)、普段(100℃)で作るときと同じようにはいきません。表示時間より少し長い時間待つ必要があります。
この沸点が変わる仕組みを利用して機械内部をできるだけ真空状態にして金属の沸点を下げます。アルミでは真空状態にすることで沸点は700℃ぐらいまで下がります。
真空にした状態でアルミを加熱し、アルミを気化させてフィルムに蒸着させます。


化学蒸着(CVD)
文字通り化学反応させて原料物質を気化させてガス化させて処理面に再度化学反応させて蒸着する方法です。
物理蒸着と違い、いくつか特徴があります。
〇真空にする真空装置を必要としない為、装置が小型になりやすい。
〇製膜速度が速いため処理面積が大きくできる。
〇原料をガス化させるのでガスが可燃性、有毒性、爆発性を持ってしまうので非常に危険。
〇物理蒸着より精度が高く、また凹凸がある所でも均等に製膜できる。


蒸着する利点
蒸着することで様々な利点があります。
〇水蒸気、ガスのバリア性が向上する。
〇紫外線、可視光、赤外線をほとんど遮断する。(透明蒸着を除く)
〇折り曲げによるピンホールが発生しにくい。
例としてアルミ蒸着フィルムはお菓子の袋や包装やレトルト製品などあらゆる分野に使われています。

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