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昨年末、久しぶりに社外のセミナーに参加しました。テーマは「ヒューマンエラーの対策と防止方法」というものでした。ISOグループの一員としては大変興味深いテーマでした。

今回のセミナーで学んだことのひとつは「エラープルーフ化」です。
エラープルーフ化とは、ミス回避の対策を人に依存せず、ミスが発生しないように、あるいはミスが発生しても大きな問題とならないように仕組みとして備える手法であり、以下の5つの原理があります。

①排除 ②代替化 ③容易化 ④異常検出 ⑤影響緩和

①排除
排除とは、エラーの原因となるものを取り除くことです。エラーの原因となるものを事前に排除したり、またエラーを起こしやすい作業を不要にしたりしてしまうという方法があります。

②代替化
代替化とは、今まで人が行なっていた作業を機械やシステムに代替することを指します。たとえば人が測定している作業を、機器を用いて自動化することで、測り漏れや人による測定値の誤差を回避できます。またこれまで手入力していた測定データを、測定装置からダイレクトにシステムに送ることで、転記ミスを無くすことができます。人は項目数が増えたり手順が増えたりするとミスしやすくなり、また細かい作業が多くなれば、疲労から注意力が下がり、ミスが増える傾向にあります。装置やシステムで作業を代替し、自動化することでミスを回避できます。

③容易化
容易化とは、作業しやすく、そして判断しやすくすることです。例えば組み立てる部品の接続口を正しい向きでなければ挿せない形にしておいたり、また複数の操作ボタンの色と形が似ていることで押し間違うことが多ければ、違いがわかるように色を変えたり、操作箇所に番号を書いたシールを貼ったりすることで、操作手順をわかりやすくするという容易化もあります。このように、人の動作や判断を容易にすることでミスの発生を防ぐという手法になります。

④異常検出
異常検出とは、異常を速やかに検出して知らせることで、それ以上の被害を防ぐことを指します。例えば事前にインプットされた加工内容と違う内容で機械のセッティングがされたらパトライト点灯や警報音を鳴らして装置を自動停止させ、そのエラーを直さない限り次の工程に進めないようにするシステムなどが挙げられます。

⑤影響緩和
影響緩和とは、発生したエラーによる問題が、他の箇所に影響して広がらないようにすることです。事前にどのような問題が発生するかを想定しておき、問題が発生した場合の対策を施しておきます。

以上のように、エラープルーフ化の本質は人の対策ではなく、人以外の対策を講ずることが重要であると学びました。過去のブログでもご紹介しましたが、弊社でもエアー抜けの警告パトランプなど、機械の仕組みによる不具合対策を少しずつ進めています。

人間の注意力には限界がありますので、ミスが起こり得ない仕事の仕組みを構築していくことでお客様に安心をお届けできればと思います。

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