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フィルムをロール状にした時に重要になるのは「巻固さ」です。
巻固さ(まきかたさ)
一般には、ロールの外周から押さえてみた固さ、側面の内周と外周から反対方向の力をかけた時の巻きズレに対する抵抗力、など複合した概念を指しています。

「巻固さ」は材料そのものの硬さ、巻層間に含む空気の量、巻上げ後の残留張力による締め付け圧力、フィルムの摩擦係数などにより構成されています。
フィルムの厚みが大きければ大きいほど元の状態に戻そうとする力が働きます。
例えば下敷きを曲げると真っ直ぐのシート状に戻ろうとするのと同じように、厚みが大きいほど張力を強くしないと巻きズレや紙管抜けが発生します。
フィルムの摩擦係数が小さいとロールフィルムに対してのバランスが崩れやすくなります。
巻芯側のバランスが崩れると紙管抜けが発生し、外周側のバランスが崩れると表層ズレが発生します。
紙管の場合はプラコアに比べて強度が弱く変形しやすいので、変形を起こすと巻芯側のバランスが崩れます。



フィルム加工で気を付けなくてはならないのは、巻径が大きくなるにつれてロールの内部は締付力が累積して圧力が高くなり、フィルムにかみ込んでいる空気が抜けてしまいます。
空気が抜けることにより残留張力が下がると、菊模様や紙管潰れなどが起きます。
フィルムの厚みが小さいと菊模様が特に発生しやすいです。




巻き上がり後の品質検査では、ロール外周部の硬さは確認できますが、巻芯側の巻固さがどうなっているか確認しにくいです。

そのためONOplusでは、巻き上がり後の品質検査でコア抜けや菊模様が起きていないかどうかを最終チェックしています。

F-1の8号機限定になりますが「巻き取り機仕上げ画像保存システム」が設置されています。
動画で巻き上がり後の状態を確認できますので是非とも利用ください。

■前回の「フィルムの巻取り」のリンクはこちら
https://ono-plus.com/?p=1658

■「厚膜フィルムの加工について」のリンクはこちら
https://ono-plus.com/?p=788

■「フィルム加工で発生する問題と原因【巻締り編】」のリンクはこちら
https://ono-plus.com/?p=371

■「巻き取り機仕上げ画像保存システム」のリンクはこちら
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