2022.09.07
摩擦力と摩擦係数
摩擦力とは物体の動きに逆らうようにかかる力の事です。 水平面上に重量の物体(W)を置き、力(F)を与えた時、その両者間の摩擦係数(μ)の時、接触面は力(W)で押し付けられているので摩擦力(F’)となります。 計算式は F’=μW です。 摩擦係数は物体によって変わります。 摩擦力(F’)は力(F)と反対側に働きます。 物体は摩擦力を越えた時(F>F‘)に物体が動き出します。 計算式はF’=μW なので摩擦係数が大きければ大きいほど摩擦力が大きくなる事がわかります。 摩擦力には静止している物体に働く「静止摩擦力」と物体が動いているときに働く「動摩擦力」があります。 最大静止摩擦力 静止している物体にある一定の力を加えると、物体は動き出します。動き出す直前の摩擦力を「最大静止摩擦力」です。 同じ物体でも動いている物体の方が摩擦係数は小さくなります。 静止摩擦係数>動摩擦係数 上記の「静止摩擦係数>動摩擦係数」の関係により 最大静止摩擦力>動摩擦力の関係になります。 フィルムの「巻きズレ」はフィルムの持っている「最大静止摩擦力」が何かしらの原因で超えた時に発生します。(「巻きズレ」はフィルムの巻き状態がズレる事。「端面不揃い」の原因になります。)「巻きズレ」が発生したら最大静止摩擦力>動摩擦力の関係により、何もしなければ「巻きズレ」が止まることはありません。 なので「巻きズレ」が発生した場合は「張力」、「押圧」、「加工速度」を変えて「巻きズレ」を止める必要があります。 以前の「フィルムの巻き取り」についての記事はこちら 「https://ono-plus.com/?p=1658」 以前の「端面不揃い」についての記事はこちら 「https://ono-plus.com/?p=527」 摩擦係数が大きければ大きいほど最大静止摩擦力が大きくなります。 フィルム加工では巻き取りを行うのでフィルムの表側と裏側の「摩擦係数」によって変わります。 フィルムの滑りが「滑りにくい」ほど「巻きズレ」が発生しにくいですが「ニキビ」が発生しやすいです。 以前の「ニキビ編」についての記事はこちら 「https://ono-plus.com/?p=470」 「滑りにくいフィルム」の列として「コロナ処理」がされているものがあげられます。 逆に「滑りやすいフィルム」の列として「シリコンコート」されているものがあげられます。 ONOplusでは加工実績のないフィルムを加工する際には、機械オペレーターがフィルムの滑りを確認して過去の加工実績をベースに機械の設定を調整しています。 ■問い合わせはこちら 「https://ono-plus.com/inquiry/」